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東京地方裁判所 昭和35年(行)96号 判決 1963年3月27日

原告 株式会社 千津井商店

被告 関東信越国税局長

訴訟代理人 加藤宏 外五名

主文

原告の請求をすべて棄却する。

訴訟費用は、原告の負担とする。

事  実 <省略>

理由

本件の争点は、問題の三口の銀行預金(足利銀行加須支店の大島仁及び中島隆名義のもの並びに平和相互銀行本店の渡辺一夫名義のもの。)とこれらの預金の入金源となつた取引(代金総額九四七六〇、一四五円)が原告会社のものであるかどうかということであるから、以下、もつぱらこの点について判断する。

一、書証の成立

以下の判断の便宜のために、あらかじめ書証の成立等について一括して検討すると、成立等に争いのあるものは、別紙書証目録の「成立を認めた証拠」欄に記載の各証拠または法条の適用により、すべて形式的証拠力を認めることができる。

二、問題の三口の銀行預金及びその入金源となつた取引と原告会社との関係

(一)  まず、右の預金と原告会社との関係を検討してみると、これらの預金は数口にわかれてはいるものの、実質上同一人のものと認められ、しかも、これらと原告会社との間に、密切なつながりを発見し得ることは、次に認定するとおりである。すなわち、

乙第一、第二号証、同第三号証の一、二、同第四号証によれば、足利銀行加須支店の大島仁名義の普通預金は、同行の須永真名義の普通預金を解約し、その払戻金を加えて新たに設定されたものと認められ、また、乙第二〇号証の一、二、同第二一号証の一ないし三によれば、右大島仁名義の預金から払い出された金額が、即日同行の塩野一郎名義の当座預金に払い込まれているものが少なくないことが認められるから、これら三口の銀行預金はいずれも同一人に帰属するものと推認され、さらに、証人藤井主計の証言によれば、前記須永真名義の普通預金の前身として、根岸庄七名義の当座預金があつたことが認められる。他方、乙第八号証、同第一一号証及び第二九号証によれば、平和相互銀行本店の永田英三名義の普通預金用正印鑑紙には、「通知不要」なる記載があつて届出住所に通知を要しないこととされており、同元帳には、「別口座あり」として、その別口座番号が「一〇二八二」と表示されているところ、右口座番号は同行の渡辺一夫名義の普通預金の番号と合致することが認められ、また、乙第三〇号証の一ないし五及び同第三一号証の一ないし四によれば、渡辺一夫は、自己の受取手形の取り立てを足利銀行加須支店に依頼し、その取り立て金を同行の中島隆名義の普通預金に預け入れていることが認められるから、この三者も同一人と推認される。以上の関係を図示すると次のとおりである。

預金債権者相互関係図

足利銀行加須支店 同行       同行       同行

根岸庄七(当座)=須永真(普通=)=※大島仁(普通)=塩野一郎(当座)

平和相互銀行本店 同行        足利銀行加須支店

永田英三(普通)=※渡辺一夫(普通)=※中島隆(普通)

註 ※印は、本訴で問題の預金である。

右の二系列の預金は、後に述べるとおり、同一人に交付された手形、小切手の取立金がこれらに分散入金されていることから、同一人に帰属するものと推認されるのであるが、銀行取引の面から、これら預金と原告会社の関係を調べてみると、次の事実を発見することができる。すなわち、

(1)  乙第三七、第三八号証の各一、二によれば、前記根岸庄七名義の預金から振り出された同人名義の小切手の筆跡と原告会社が正規に振り出した小切手の筆跡とが同一であること。

(2)  乙第三九号の一、二及び同第四二、第四三号証の各一、二によれば、前記須永真名義の普通預金払戻請求書の筆跡と原告会社が正規に振り出した小切手の筆跡とが同一であること。

(3)  乙第四号証、同第二一号証の一ないし三及び本件記録によれば、大島仁名義の普通預金元帳の住所欄には「騎西町大字騎西」と記載されているところ、右住所地は原告会社と同「字」であること。

(4)  乙第八ないし第一〇号証及び甲第五号証と本件記録に編綴の訴状及び原告会社代表者資格抄本とによれば、渡辺一夫名義の普通預金用正印鑑紙には、当初住所を「埼玉県北埼玉郡騎西町一三八六番地」、電話番号を「騎西局一四番」として届出られていたが、右住所及び電話番号は原告会社のものと合致していたこと、その後渡辺一夫の住所は「東京都中央区日本橋通三ノ四」と変更届されているが、この新住所に渡辺一夫が現住したことがないこと。

(5)  乙第一一、第一二号証によれば、永田英三名義の普通預金用正印鑑紙に記載された住所地に永田英三が現住したことがないこと。

以上の事実が認められ、これに反する証拠はない。

(二)  次に、問題の銀行預金の入金源である手形、小切手の振出し原因たる取引と原告会社との関係を検討すると、次のような事実を発見することができる。すなわち、

乙第五号証の一ないし一三、同第六号証の一ないし五及び五同第七号証によれば、大島仁、中島隆、渡辺一夫、永田英三各名義の普通預金には、有限会社相力煎餅外八名(次表振出人欄記載のとおり)の各振出しにかかる手形、小切手の取立金が同表のとおり振替入金されていることが認められる。

表<省略>

そして、これら手形、小切手振出しの原因となつた取引と原告会社との関係については、乙第一三号証の一ないし三、同第一四号証、同第一五号証の一、二、同第一六ないし第一九号証、同第二二ないし第二八号証、同第三二号証、同第三五号証及び証人武内徳守、同野苅家鉄五郎、同千津井真太郎の各証言により、次のような事実を認めることができる。

(1)  前記振出人のうち、有限会社相力煎餅、有限会社ヒノデ製菓、井上武雄、北島勉、株式会社竹中及び坂本製菓有限会社の六名は、原告会社の正規の帳簿に記載された取引先であること。

(2)  前記各手形、小切手は、いずれも「やみ米」等の仕入代金の支払のために振り出されたものであるが、原告会社の営業種目がこれと同種のものであること(なお原告会社が米麦飼料、肥料等の販売を営む会社であることは、当事者間に争いがない。)。

(3)  右取引の販売名義としては、「千津井商店」原告会社商号の外「渡辺商店」、「木村商店」、「西村商店」、「宇佐美商店」等多種の名義が用いられたが、その実質は同一人で、右販売人は「千津井商店」または「千津井さん」と呼ばれていたこと。

(4)  これらの仕入代金については、原告会社の領収書、計算書が用いられたことがあり、また連絡先としては原告会社の電話番号が指示され、これら取引に関連して、原告会社が会社の正規の取引につき正月等に得意先に配つていたのと同じ「千津井」名の入つた前掛け等が送られたことがあること。

以上の事実が認められる。

なお、前記乙第一三号証の一、二、同第一五号証の一、二同第一六、第一七号証、同第二二、第二三号証、同第二八号証、同第三二号証、同第三五号証などには、前記手形、小切手の振出し原因たる取引は、原告会社との取引である旨の記載があるが、証人武内徳守、同野苅家鉄五郎の各証言によれば、これら取引は、いずれも現物取引であつた関係から、取引の相手方の組織、資金等を調査する必要はなく、明確に原告会社と原告会社関係者個人とを区別した上で、相手方が会社であることを確認して取引をしていたものとは認められないから、これらのみによつて、取引が原告会社との間に行われ、前記各預金が原告会社のものであると判断することはできず、他方、甲第三号証の一ないし三、同第四号証の一ないし五には、右取引が原告会社との間になかつた旨の記載があるが、これらは証人武内徳守、同野苅家鉄五郎の各証言及び乙第二二ないし第二八号証、同第三二号証と対比して直ちには措信できず、むしろ、これら甲号各証は、取引の相手方が原告会社か原告会社関係者個人か明白に識別していなかつたところ、原告側より会社の取引でない旨が強く主張されたため、かかる記載がなされるにいたつたものと認められる。他に上記認定に反する証拠はない。

(三)、以上(一)、(二)の認定事実を要約すると、次のとおりである。

問題の三口の銀行預金は、相互に資金関係を有するその他の仮名預金とともに、いずれも同一人に帰属するものであるが、これら預金に関し原告会社の住所、電話番号が届出てあり、また原告会社の正規の小切手と同一筆跡で、これら預金から小切手が振り出され、預金の払戻請求がされており、他方、これら預金の入金源となつた手形、小切手は、原告会社またはこれとまぎらわしい名義を使用して、原告会社の正規の取引先と同一取引先等に、会社の営業種目と同種の物品を販売した者に対して、代金支払のため振り出されている。以上が(一)、(二)に認定した事実の要領である。この認定事実によれば、問題の三口の銀行預金及びその入金源たる取引の主体が、原告会社と無関係な第三者であるとは到底考えられず、それは原告会社かあるいは原告会社と密接な関係を有する会社関係者のいずれかであると推認するのが相当である。

三、 問題の三口の銀行預金及びその入金源となつた取引の主体が千津井保夫であると認めることの合理性の有無、

原告の主張によれば係争事業年度当時の原告会社代表者千津井真太郎の実弟で、昭和三一年中に原告会社を飛び出したまま所在不明となつている千津井保夫が、原告会社と無関係に、個人で「やみ米」等を売買し、その代金を問題の預金に入金したものであるというのであるが、問題の預金を保夫の個人預金と認め、その入金源となつた取引を保夫の個人取引と認めることは、次の諸点から考えて、明らかに不合理である。すなわち、

(1)  証人五月女登、同藤井主計の各証言によれば、問題の三口の銀行預金に取引先からの手形、小切手によつて振替入金された金額は、係争事業年度中に総額金九千数百万円に及ぶものと認められるところ、これに乙第五号証の一ないし一三、同第六号証の一ないし五、同第七号証によつて認められる次の事実、すなわち、右取引先から受領した手形、小切手の支払銀行の所在地が、東京、埼玉、群馬、栃木等の各都県にわたり、かつその振出人名義が数十を超える事実を考え合わせると、本件預金の入金源となつた取引は、相当の資金を基に組織的かつ大規模に行われているものと認められるから、これが遊び好きで、たいした資産をもたず、昭和三二年当時二五、六才の若年であつた保夫(これらの事実は、証人千津井真太郎、同清水英夫の各証言によつて認めることができる。)が個人ですることができたとは考えられないこと(なお、証人千津井真太郎は、保夫を含むグループがあつて、これを行つていたのではないかと供述しているが、この供述は具体的事実をともなわない推測にすぎず、にわかに信用ができないし、またグループが存在したとすると、後述のとおり、他の事実と矛盾することとなる。)。

(2)  すでに認定したとおり、大島仁名義の普通預金元帳に原告会社と同「字」の住所が記載され、渡辺一夫名義の普通預金用正印鑑紙には会社の住所と電話番号が記載されていたのであるが、これをこまかく検討すると、大島仁名義の普通預金の新規設定日は、昭和三二年三月二日(乙第四号証)、渡辺一夫名義の普通預金用正印鑑紙の提出日は、昭和三三年一月二五日であり(乙第八号証)、いずれも原告主張の保夫家出後のことになり、ことに後者は、一年以上経過した後になるから、家出したまま所在不明の保夫が個人預金の連絡先(電話番号の記載があるところからすれば、単なる形式上の住所というよりも、むしろ連絡先として届出されたものと認められる。なお、前認定のように、預金設定時から仮空名義で、仮空居住地を記載したと認められる永田英三名義の普通預金用正印鑑紙である乙第一一号証には、「通知不要」と記載されていることが注目される。)を原告会社事務所にしたと解することは、極めて不合理であること(このことは、保夫を含むグループが存在したとすれば、一層不合理である。)。

(3)  乙第八号証、同第一一号証及び証人五月女登、同藤井主計の各証言によれば、所轄の行田税務署が、昭和三四年二月下旬頃原告会社につき課税調査を実施した際、まず銀行関係の調査を開始したところ、当時取引関係のあつた大島仁、中島隆名義の銀行預金は、間もなく調査完了前に解約され、また渡辺一夫名義のものは同年三月二日、永田英三名義のは同月五日にそれぞれ解約された(なお、須永真名義のは、昭和三二年三月二日(乙第一号証)、塩野一郎名義のは、昭和三三年五月二六日(乙第二〇号証の二)に、それぞれ解約されていた。)ことが認められるが、当時保夫は家出中で、原告会社等と連絡がなかつたはずであるから、保夫が税務署の行動開始を知つて右仮名預金解約に出たとみることは不自然であること(この不合理は、グループの存在を仮定しても同様。)。

(4)  乙第一三号証の二、同第三四、第三五号証及び証人武内徳守の証言によれば、税務署の課税調査が始まると間もなく、前記各預金の入金源となつた取引について、取引事実を隠ぺいするための工作があつたことが認められるが、問題の預金及びその入金源たる取引が原告会社と無関係に、保夫個人がしたものとすれば、このような事実隠ぺい工作の説明がつかないこと(この点の不合理は、グループの存在を仮定しても同様である。)。

(5)  当時の原告会社役員である証人千津井真太郎、同清水英夫は、問題の預金及び取引は保夫のものと思われると証言するとともに、「千津井」の名を用いて取引をしている者があることを知り、それが保夫の仕業ではないかと思うにいたつた時期は、いずれも税務署の課税調査開始後のことであるというが、他方、証人藤井主計の証言によれば、係争の昭和三二年三月一日から始まる事業年度の数年前から、問題の預金の前身たる仮名預金が存在し、取引先からの入金があつたと認められ、その取引規模は前述の様に係争事業年度においては、九千数百万円に及んでいたのであるから、保夫が個人で数年にわたつてこのように大規模な取引をしていたとすれば、真太郎らがこれを知らないはずはないし、ことに、前認定のとおり、問題の預金に振替入金された手形、小切手を振り出した取引先の中には、原告会社の正規の取引先も少なくないのであるから、そこに「千津井」の名で他にひんぱんに売り込みに来るものがあつたとすれば(乙第五号証の一ないし一三同第六号証の一ないし五、同第七号証によれば、その取引回数はただ一度だけというものではなく、多いものでは、一店につき五〇回を越えるものがあることが認められる。)、当然そのことがこれら得意先を通じて耳に入つていたはずである(グループが存在したとすれば、その活動は一層目立つはずである。)のに、同人らがこれを耳にしなかつたと供述するのは、これら取引が保夫個人の取引ではなく、真太郎らが明らかにすることを欲しないものの取引であつて、そのため、不合理な供述をすることになつたものと推測させるものであること。

(6)  証人千津井真太郎、同清水英夫は、問題の取引に使用された原告会社用紙による領収書(乙第一七号証に添付のもの)の記載形式が、会社のと(甲第五号証)異なることを理由に原告の取引ではないと述べるが、乙第三六号証の一ないし三(これが原告会社発行の領収書であることは、証人千津井真太郎の証言によつて認められる。)と対比すれば、会社の領収書が甲第五号証の形式に統一されていたとは認められないこと(なお、乙第一七号証に添付された領収書の発行日と乙第三六号証の一ないし三の発行日との間には二年近くの隔りがあるが、証人千津井真太郎の証言によれば、その間に原告会社で領収書の記載形式を変えたようなことはなかつたものと認められるから、この日時の相違は重要ではない。)。

(7)  原告代表者本人は、乙第三七ないし第三九号証の各二と同第四〇、第四一号証の各二の「根岸庄七」の署名部分は、当時家出中の保夫が原告会社事務所に来て記載を頼んだので、その依頼に応じて自分が書いたというが、同人と不仲で家出中の保夫が、小切手等の署名のみを依頼する目的で原告会社を訪ねるということは極めて不自然であつて、右本人の供述はにわかに信用し難いこと。

(8)  証人小高武雄は、埼玉中部米穀株式会社が保夫個人に米を「やみ売り」し、その代金を塩野一郎名義の小切手で受領しこの取引は原告株式会社との取引とは考えていなかつた旨を述べ、前記塩野一郎名義当座預金から埼玉中部米穀株式会社に米代金として小切手が振出されていることは、乙第三三号証、同第二〇号証の一、二から明らかであるが、保夫個人との取引であるとの点は、同証人が供述するように保夫の父(それは真太郎及び清水英夫の父でもある。)千津井薫と同証人が友人であつたことを考慮しても、それまで名前も知らなかつた若年の保夫に、乙第三三号証に記載されているような多額の米(しかも「やみ米」である。)を、他人名義の小切手と引換えに売却するというのは不自然でもあるし、乙第三四号証の記載に照らしても、たやすく信用できないこと。

以上の諸点から考えれば、問題の預金ないし取引を原告主張のように保夫個人のものと解する余地はなく、その他本件全証拠によつても、これが保夫のものではないかとの疑いをはさむに足る事実は認められない。

四、結論

以上に認定したところを総合して要約すると、問題の三口の銀行預金及びその入金源となつた取引の主体は、原告会社自体またはこれと密接な関係のある会社関係者と推認されるところ原告はこの預金ないし取引の主体と疑わるべき会社関係の人物として千津井保夫をあげているが、右取引を保夫の個人取引と疑う余地はないということである。そこで、右の判断に、さらに次の諸点、すなわち、

(イ)  保夫以外の会社関係者が、会社と無関係な個人資金を基礎として問題の預金や取引をしていたという事実、もしくはかような取引から生ずる所得につき所得税申告等をしていた事実についてなんらの主張立証がないこと、また、会社関係者が会社資金を流用して個人で問題の預金や取引をしていたという事実もしくはかような所得につき個人で申告納税していた事実についてもなんらの主張立証がないこと。

(ロ)  証人千津井真太郎の証言及び原告代表者本人尋問の結果と弁論の全趣旨とによれば、原告会社は同族的会社であつて、計理上の操作により、簿外取引ないし簿外資産の造出が容易であると認められること。

(ハ)  証人小高武雄、同武内徳守、同野苅家鉄五郎、同清水英夫同千津井真太郎の各証言及び原告代表者本人尋問の結果によれば、係争事業年度当時、なお「やみ米」等に関する現物取引がかなり一般的に行われ、この種取引は、計理上会社の正規の取引として処理することがはばかれる事情にあつたことがうかがわれること。

(ニ)  原告会社のような同族的会社にあつては、経営の担当者(必ずしも会社代表者のみをいうのではなく、その親族をも含めて)と利益の帰属者とが合致するから、経営担当者が会社の業務と同種の事業を個人で行う経済的誘因はないこと。

以上の諸点を合せ考えれば、問題の三口の仮名預金は、原告会社に密接な関係のある会社関係者が会社の正規の帳簿外に設けていた会社の預金であつて、この預金の流入源となつている問題の取引も、右会社関係者が簿外で行つていた会社の取引と認めるのが相当である。従つて、これらの取引から生じた所得は、会社の簿外所得と認めざるを得ない。

してみると、この点に関する行田税務署長の認定及びこれを是認した被告の判断になんら不合理、違法の点はなく、その他の点では、被告らの処分がすべて適法要件を具備することは原告の明らかに争わないところであるから、被告らの処分はいずれも適法と認めねばならない。

よつて、原告の請求は理由がないから棄却することとし、訴訟費用については民事訴訟法第八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 白石健三 浜秀和 町田顕)

書証目録<省略>

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